イオン 岡山 周辺 高価でも人気の食パン 岡山の2店 (「パン」購入額、岡山市は全国3位)
(岡山市は1世帯当たりの「パン」購入額が全国3位(3万6388円))
朝食はご飯派? それともパン派? 岡山市中心部に“ちょっと高価な食パン”を製造販売する人気店がある。1店はオープンから2カ月に満たないニューフェースで、もう1店は20年余り親しまれている店舗。パン好きといわれる岡山の人々を引きつける2店を訪ねた。
■乃が美はなれ岡山本店(岡山市北区中山下) 桃太郎大通りに面したビルの1階で1月下旬から営業する。大阪に本店がある「高級生食パン」の専門店で、県内へは初出店。1斤432円、2斤864円。日々行列ができている。 パンの特徴はもちっとした食感の耳と生地のやわらかさ。店長の中田勝さん(23)は「『生』の状態でちぎって食べるのが最もおいしい」と薦める。あまりにやわらかいため、スライスすると形が崩れ、トーストすれば風味が損なわれてしまうという。 カナダ産100%の小麦粉に生クリームやバター、蜂蜜を入れている。卵は使っていない。天候に応じて水分やこねた生地を寝かせる時間を調整。発酵させ、焼き上げる時間は約30分。窯から出すと扇風機で表面を急速に冷やして風味と甘みを閉じ込める。 中田さんは「耳が嫌いな人も食べられる」とアピールする。 自宅用にするリピーターだけでなく、土産や差し入れ用に買う人も多いという。午前11時〜午後6時。今月は不定休で、4月からは火曜定休。同店(086—238—6500)。
■BONISH ボニッシュ(岡山市北区丸の内) 岡山県庁通りにあり、オープンしたのは1996年。京都・祇園が発祥の、さくっとした食感の耳とやわらかく甘い生地が特徴の「デニッシュ食パン」を提供している。一番人気のプレーンデニッシュは1枚150円、1斤570円、2斤1050円。 パンの特徴はその味。ショコラデニッシュやキャラメルデニッシュなど全6種類あり、いずれも生地が甘く、ケーキや菓子パン感覚で味わえる。「一度食べたらきっと好きになってもらえると思う」と店長の藤井美保さん(33)は自信たっぷりに話す。 藤井さんは“本場”京都にあるデニッシュ食パンの店で修業。ブレンド小麦粉や卵などの原材料は京都から仕入れている。バターをたっぷり含ませた生地を棒状に延ばし、三つ編みのように折り重ねて型に入れ、発酵させ焼き上げる。 開店直後の焼き立てを買いに来る常連客も少なくない。県外からのお客もいるという。午前10時〜午後6時。日曜定休。同店(086—235—3200)。
「パン」購入額、岡山市は全国3位 総務省の「家計調査」によると、品目別購入の県庁所在地および政令指定都市ランキング(2人以上の世帯、2013〜15年平均)で、岡山市は1世帯当たりの「パン」購入額が全国3位(3万6388円)となっている。内訳は「食パン」が18位(9522円)、菓子パンなどの「他のパン」が2位(2万6866円)。全国51市に「東京都区部」を加えた52市部で順位付けし、「パン」の1位は京都市(3万8681円)、2位は神戸市(3万7342円)。
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参考
パン消費量 [ 2014年第一位 京都府 ]
総務省の家計調査から都道府県別パン消費量ランキング。家計調査は全国から9000世帯を抽出して調査している。この中から単身世帯を除いた二人以上の世帯の購入量を調べた。一般世帯では購入量と消費量はほぼ同じと考えて、ここでは消費量としている。都道府県別支出は県庁所在地のみを抽出しており、各県の消費動向もこれをベースに計算されている。当サイトでもこれにならい、県庁所在地のデータを各都道府県のデータとした。数値は2012~2014年の平均値。
1世帯あたりパン消費量の全国平均は44,887グラムで、標準的な食パン(400グラム)に換算すると112斤にあたる。
1世帯あたりパン消費量の1位は京都府で62,599グラム。これは全国平均の1.4倍にあたる。京都と言えば伝統的な日本食のイメージがあるが、どうも違うようだ。
伝統の街・京都、パン消費量が日本一
その理由として「京都や滋賀の商人や自営業者がすぐ食べられる利便性を評価したから」「京都人は新しい物好きだから」との通説が紹介されていました。
この他にも京都は学生が多いので手軽なパン食が多い、という説も見受けられたが、今回の統計では学生が除外されるように「二人以上の世帯」を使っているので、それもなさそう。
ちなみに他の調査でも二人以上の世帯を元に消費動向を調べている。一人暮らしは日本の食文化の中では"例外的"な扱いになっているのだろう。
2位以下は兵庫県、岡山県、滋賀県、大阪府と続いている。一方、パン消費量が最も少ないのは福島県で30,269グラムと1位京都府の半分以下。その他、山形県、秋田県、宮城県、岩手県と東北各県が下位を占めている。
分布地図を見ると関西は全県が上位10県に入っており、パンの消費量が多い。隣接する中国地方、東海地方も消費量が多く、関西から離れるほど消費量が少なくなる傾向がある。また、地方よりも都市部で消費量が多い傾向もある。
相関ランキングで見ると農業就業人口と負の相関があり、農業就業者が少ない都市部でパン消費量が多い。また、納豆消費量とも負の相関があり、納豆消費量が少ない西日本でパン消費量が多い。
「並替」の右横の「北/南」「降順/昇順」をクリックすると並べ替え表示します。
順位 都道府県 消費量 偏差値
並替 北 南 降順 昇順 降順 昇順
1 京都府 62,599グラム 75.56
2 兵庫県 61,629グラム 74.21
3 岡山県 58,009グラム 69.15
4 滋賀県 55,697グラム 65.92
5 大阪府 55,316グラム 65.39
6 奈良県 53,046グラム 62.22
7 富山県 50,070グラム 58.07
8 和歌山県 49,122グラム 56.74
9 福岡県 48,909グラム 56.44
10 島根県 48,658グラム 56.09
11 神奈川県 48,557グラム 55.95
12 広島県 48,511グラム 55.89
13 愛媛県 48,455グラム 55.81
14 石川県 48,087グラム 55.30
15 東京都 47,271グラム 54.16
16 愛知県 46,866グラム 53.59
17 鳥取県 46,725グラム 53.39
18 三重県 46,344グラム 52.86
19 千葉県 46,259グラム 52.74
20 埼玉県 45,860グラム 52.19
21 岐阜県 45,203グラム 51.27
22 徳島県 45,117グラム 51.15
23 福井県 45,006グラム 50.99
24 香川県 44,529グラム 50.33
25 長崎県 44,363グラム 50.09
26 静岡県 43,678グラム 49.14
27 群馬県 42,849グラム 47.98
28 新潟県 42,490グラム 47.48
29 山口県 41,773グラム 46.48
30 鹿児島県 41,371グラム 45.92
31 栃木県 40,935グラム 45.31
32 佐賀県 40,071グラム 44.10
33 茨城県 39,657グラム 43.52
34 長野県 39,568グラム 43.40
35 高知県 39,032グラム 42.65
36 沖縄県 38,963グラム 42.55
37 大分県 38,495グラム 41.90
38 北海道 38,390グラム 41.75
39 熊本県 37,767グラム 40.88
40 山梨県 37,676グラム 40.75
41 青森県 37,257グラム 40.17
42 宮崎県 36,343グラム 38.89
43 岩手県 34,839グラム 36.79
44 宮城県 33,937グラム 35.53
45 秋田県 33,562グラム 35.01
46 山形県 32,755グラム 33.88
47 福島県 30,269グラム 30.41
全国 44,887グラム
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2015年04月25日
あの「京都人」が、ここまでパンを愛する理由
消費量は日本1位!古都は和に飽きている?
ユネスコの無形文化遺産に登録された「和食」。そんな世界的に認められた和食をイメージする土地はどこか?と問われたら、真っ先に思い浮かべるのが「京都」ではないだろうか。
日本の伝統を今に伝える古式ゆかしき街である。
しかし、そんなイメージを根底から覆すデータが今年発表された。
■パンの消費量が多い都市
1位 京都市 6万2599グラム
2位 神戸市 6万1629グラム
3位 岡山市 5万8009グラム
(1世帯当たり、2012~2014年平均、総務省統計局家計調査)
なんと、パンの年間購入量で全国1位、つまり日本一パンを食べている町が京都なのだ。ハモや松茸のお吸い物とか湯葉的な味のうす~いものしか食べてないだろうなと勝手にイメージしていた京都がパンを日本一食べるのは「なんで?」。取材班は、さっそく京都に飛んだ。
「日本人なのだから、当然ご飯派!」とならないのが今の京都。市内で街頭調査を行ったところ、実に9割の人が「朝パン派」だった。京美人から頑固そうな年配の人達まで、口々に「パン!」と答えた。
あまりにもパンという答えしか出てこない現状に少し寂しさを覚えた取材班は、「そうだ!この人なら絶対に和食と答えてくれる!」と、舞妓さんに話を聞いた。すると、返ってきたのは流暢な京ことば。「パンをよばれてます」。
こうなったらあそこへ!
お寺の住職はスープにパンを浸して食べていた
こうなったら、ここしかない!とお寺の住職の元へ行ってみてびっくり。食事の様子を拝見すると、なんとスープにパンを浸して食べる、クックパッドやテレビCMで話題のつけパンを楽しんでおられた。
取材班は京都のパン好きを認めざるを得ない決定的な証拠を目の当たりにする。地元スーパーのパンコーナーをチェックすると、なんと食パンだけで60種類。もちろん惣菜パンや菓子パン・サンドイッチなど種類も豊富で、もはやパン屋と変わらない。そしてパンのお供バターやジャムも数えきれないほどの量。それもそのはず、バターの購入量は京都が日本一!
■バターの消費金額ランキング
1位 京都市
2位 東京都区部
3位 奈良市
(1世帯当たり、2012~2014年平均、総務省統計局家計調査)
“牛乳”の購入量も実は京都が日本一なのだ。
■牛乳の購入量ランキング
1位 京都市
2位 広島市
3位 大津市
(1世帯当たり、2012~2014年平均、総務省統計局家計調査)
京都には「パンストリート」なるものも存在。大学が並ぶアカデミックな今出川通は京都一のパン激戦ロード。数100mおきにパン屋さんが並んでいる。その通りは香ばしくも甘い、やさしい匂いのする場所だ。
「pin de bleu」(パンドブルー)というお店では、全商品(食パンなどは除く)100円均一で売っている。
ほかにも蛸薬師町には、行列ができるお店がある。時間によってパンのラインナップが変わり、50種類以上のパンが売られている。いちばん人気は、チョコレートベーグルだ。
京都人はパンにコーヒー?!
京都人は和に飽きてしまったのだろうか?
それにしても、なぜ「和」のイメージの強い京都が日本一パンを食べるのか?取材は2つの仮説を立てた。ひとつ目は『京都、和に飽きてしまった説』。街頭調査の中で京都人のおすすめする料理店を挙げれば、イタリアンやフレンチ、ステーキ屋など洋食系ばかり。湯葉や湯豆腐もまったく食べないという。
その説を裏付けるデータがこちら。
■お茶飲料の購入金額ランキング
41位 京都市
42位 広島市
43位 和歌山市
(1世帯当たり、2012~2014年平均、総務省統計局家計調査)
お茶のイメージが強い京都市だが、お茶飲料の購入額は低い!
変わってこちらのランキング
■コーヒーの購入金額ランキング
1位 京都市
2位 金沢市
3位 奈良市
(1世帯当たり、2012~2014年平均、総務省統計局家計調査)
コーヒーの購入量は、なんと全国でトップ!794年から都として『和の代表』を1200年背負ってきた京都は、おそらく和に飽きてきているといっていいだろう。
2つ目は『新しもの好き説』。現代の日本の中心、東京は流行の最先端。つまり新しいものを敏感に察知し時代をリードしているように、ずっと都だった京都も、新しいものに敏感なのでは?
ということで調べると、こっちの狙い通りのデータが。矢継ぎ早に羅列すると、Twitterのユーザー数ランキングは、東京に次ぐ2位。Facebookのユーザーも同じ。日本マクドナルドの関西進出第1号は、京都藤井大丸店。日本で初めてセーラー服を導入したのも平安高等女学校(現・平安女学院中学校・高等学校)。路面電車も京都が初だ。
まだまだある、京都の日本初
京都ではポピュラー?なパン朝食
ほかにも数々の京都の日本初。
日本初のスクリーン映画上映。日本初のコンピュータ専門学校。日本初のインターネット通信制高校。などなど、京都は初物づくしである。
京都に詳しい専門家に話を聞くと、明治時代、神戸に西洋人が移り住むようになった事でパン屋さんが急増。新しもの好きの京都人は神戸でパン作りを学び、京都に持ち帰って市内にたくさん店を開店したという。つまり昔から京都人は新しもの好きだった。
ダメ押しの理由が京都は商人・職人の街。手軽に食べられるパンが職人たちの間で大人気になったこともあるだろう。独自の進化を遂げた京都のパン文化は、もはや日本の食文化ともいえる領域まで達しているのかもしれない。
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参考/////